ユマニチュード入門【実践法】


こんにちは!
現役介護士のTARO(@taro26179991)です。

今回は、ユマニチュードの具体的な実践方法についてまとめていきます

ユマニチュードとは?

前回の記事で、『ユマニチュードの思考法』についてまとめてます。


ユマニチュードは、フランスで生まれた認知症のケア技法です。ただし、その技術面に注目されやすいですが、その土台となる考え方や相手への理解が深まれば、より応用が利く技術となります。(下図参照)
これ踏まえた上で、ユマニチュードの実践についてみていきます。


まずは相手を知る

ユマニチュードを実践する前に、まずは相手のことを知りましょう。介護現場で関わる高齢者はさまざまで、その方に合った関わりが必要です。

例えば、認知症の方に関わるときには、その方が見ている世界を知り、想像することが大切です。一般に認知症の症状が進行すると、次のことが起こるとされています。

①短期記憶が低下し、人や場所、時間の認識が難しくなる
②会話する力や相手の表情を読み取る力が低下し、社会性が失われる

このことが理解できていないと、ユマニチュードの技術も自分本位のものになってしまいます。
これから紹介するユマニチュードの技術は、相手のことや認知症の症状を理解していることを前提に実践していってください。


『ユマニチュード』の実践法


ユマニチュードは、「見る」「話す」「触れる」「立つ」の4つの行為を基本としています。

見る

認知機能が低下している高齢の方にとって、視覚的な情報を受け取る範囲が狭くなり、ケアする人を認識できていない場合があります。

まずは正面から近づき、水平な目線でしっかりアイコンタクトを取って、相手の存在を認めるとともに、自分の存在を認識してもらうことからケアを始めましょう。その時に、笑顔で見ることで、「私はあなたの味方です」というメッセージを送ります

話す

「見る」同様に、まず相手に話しかけることで相手の存在を認めることから始まります。オムツ交換や着替えなどのケアを始める前に、まずは挨拶や簡単な雑談から入ることで、人間らしい関係を作る入口とします。

オートフィードバック
認知症の症状が進み、会話や返事を難しい場合にも、ケアする内容を言葉に出したり、前向きな言葉をかけ続けます。(これをオートフィードバックという)

例えば清拭のケアの時に、相手の反応が少なくても、「温かいタオルで背中を拭いていきますね」「汗もかいていたので、さっぱりしますね」といった言葉をかけていきます。

これによって、相手との関係性が作りやすくなるのはもちろん、認知機能や記憶力が低下していても、常に相手が「今何をされているのか」を理解した状態で安心してケアが受けられます


触る

触れるという行為は、オムツ交換や移乗など、ケアの大半を占めます。その触り方や場所、順序によってポジティブな印象を与えることもあれば、ネガティブな印象を与えてしまうこともあります。

相手の腕を上からつかむような触り方は、警戒心や違和感を与えてしまいます。手のひら全体で優しく触れたり、下から支えるように介助するよう意識してみてください。


立つ

相手のレベルを正しく観た上で、「立つ」機会を作り、できるだけ寝たきりにさせないように関わります。 実際に「立つ」という行為は以下の身体的なメリットがあります。
・骨格筋を鍛える
・骨を強くする
・全身の血液循環を促す
・褥瘡を予防する


また自分の意思で立って、歩くという行為は、自尊心や生きる意欲にも繋がります。ケアの中で「立って歩く」機会を積極的に作っていくことで、「立って歩く」力をできるだけ維持します。



最後に...

今回は、ユマニチュードの実践法についてまとめてみました。
いかがだったでしょうか?
感想や意見等をTwitterまでいただけると助かります。

今回紹介した技術は、ユマニチュードのほんの一部にすぎないので、ぜひ他の技術も勉強してみてください。私自身がユマニチュードを実践するのに参考にしてきた本を紹介しておきます。

ユマニチュード入門/本田美和子
ユマニチュードの実践的な内容が載っていて、すぐ試してみたいという方にお薦めの一冊です。全体的にイラストも多く、分かりやすい。


「ユマニチュード」という革命: なぜ、このケアで認知症高齢者と心が通うのか/イヴ・ジネスト、ロゼット・マレスコッティ

著者らの医療・介護の現場での経験をもとにユマニチュードが生まれる過程。現場でのユマニチュードの実践や考え方など参考になることが多いです。



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