介護業界の大手トップ10社 業績まとめ2021


今回は、介護業界の大手企業トップ10社の2020~2021年度の業績を紹介していきます。
新型コロナウイルスの中で介護大手企業の業績はどのように変化したのでしょうか?

上場している各社の決算書などをもとにまとめてみたので、これから就職・転職を考えている方は是非参考にしてみて下さい。後半には、大手企業の直近の動きから今後の介護業界についても考察してみたいと思います。



介護業界トップ10社売上高ランキング2021

まず介護業界の上場企業の2021年売上高ランキングは次のようになっています。昨年上場を廃止したニチイ学館は昨年度の売上高を参考にしています。

次に各社の売上高と前年度からの増加率を表にしています。
全社で前年度よりも売上高は増加していますが、伸び率にバラつきがあります。大きな要因としては、事業の拡大や他社の買収・統合の影響によるところが大きいですが、コロナ禍での各社の主力サービスの受ける影響にも違いが出ています。


介護業界大手トップ10社の業績2021

次に2020-2021年度の各社の業績と一年間の主な動きを紹介していきます。

ニチイ学館

在宅系から居住系介護サービスまで多彩な介護サービスを展開※業界トップのニチイ学館は2020年11月5より上場廃止しています。参考までに昨年度の売上高・営業利益は次の通りです。
【介護分野・2020年3月期決算】
売上高:153,788百万円
営業利益:15,857百万円


SOMPOケア

介護付き有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅を展開、シニアリビング居室数業界No.1

【介護分野・2021年3月期決算】
売上高:1318億円(前年度比+2.6%)
修正利益:73億円(+16%)

  • 入居率はコロナ禍でも90%前後の推移
    (そんぽの家:90.6% 前年比-1.8pt、そんぽの家S:91.5% -2.5pt、ラヴィーレ:86.4% -2.1pt)
  • 首都圏中心に介護付きホームやサービス付き高齢者向け住宅を19施設運営する東京建物シニアライフサポート株式会社の子会社化


ベネッセHD

都市部の住宅地を中心に高齢者向け住宅(330拠点)を運営

【介護保育事業・2021年3月期決算】
売上高:123,851百万(前年度比+0.8%)
営業利益:10,393百万(-8.6%)

  • 高齢者向けホーム及び住宅数を前期比9ホーム拡大
  • 新型コロナの影響で見学者数の減少や入居率の低下(入居率:92.6% 前年比-2.7pt)
  • 人材紹介事業の規模拡大(”ハートページ”や”介護求人ナビ”を運営するプロトメディカルケアの買収へ)


ツクイ

デイサービスや在宅サービスを中心にサービスを展開

【2021年3月期決算】
売上高:93,249百万(前年度比+2.3%)
営業利益:2,893百万(-31.8%)

  • 新型コロナの影響で主力のデイサービスで利用控えや新規顧客数の減少
  • 報酬算定を2区分上位にし、顧客単価が伸長
  • 従業員への新型コロナウイルス特別手当の支給や事業所開設に伴う人件費の増加
  • アサヒサンクリーン株式会社より訪問介護事業を譲受し、訪問介護を6ヵ所を開設


学研HD

高齢者住宅やグループホームなどの居住系サービスを展開

【高齢者福祉事業・2020年9月期決算】
売上高:55,805百万(前年度比+9.7%)
営業利益:2,445百万(+0.8%)

  • 新型コロナの影響でサ高住の新規開業に遅延があるも、12事業所を開設(累計148事業所)
  • 給与改定や人材充足による人件費の増加や感染症対策の防疫コスト増
  • GHの入居率は高水準(98.0%)を維持、高齢者向け住宅は自立高齢者の施設見学控えで入居遅れあり
  • 採用面では業界5社によるコロナの影響による失業・離職者向けの就職支援サイトを開設(http://mcs-kaigo.com/)


ユニマットリタイアメント・コミュニティ

在宅・入居系の幅広いサービスを展開し、ショートステイの業界シェア1位

【介護事業・2021年3月期決算】
売上高:522.4億円(前年度比+4.2%)
営業利益:44億7500万円(-13.3%)

  • 新型コロナの影響により、デイサービスやショートステイの在宅型サービスの利用控え
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護「そよ風定期巡回」の新規開設、それに伴う費用 増加
  • パナソニックエイジフリーより7拠点の事業譲受
  • 人工知能(AI)を活用した介護ビジネスアプリの共同開発(ショートステイの予約管理や持ち物記録アプリ)


セントケアHD

訪問入浴や訪問介護をはじめとした在宅サービスを中心に展開

【2021年3月期決算】
売上高:45,909百万 (前年度比+6.4%)
営業利益:2,806百万(+91.1%)

  • 新型コロナの影響で訪問系サービス(訪問入浴や訪問看護)を中心に利用増、デイサービスでは利用控え
  • 前期開設の看護小規模10か所の収益貢献
  • ICTを活用したWEB会議やリモートワーク等よる業務効率化や仕入れや外注派遣費等の見直しによる経費削減


ソラスト

首都圏、関西圏、名古屋地区でリハビリを重視した通所介護、訪問介護を軸にサービスを展開

【介護事業・2021年3月期決算】
売上高:42,303百万円(前年度比+20.6%)
営業利益:2,033百万円(+0.1%)

  • 10件の新規M&Aが貢献(介護事業所数:476(2020.3)→633(2021.3))
  • 新型コロナの影響によるデイサービスの利用控え


ALSOK

関東を中心に有料老人ホーム・グループホーム・サービス付き高齢者向け住宅を運営

【介護事業・2021年3月期決算】
売上高:40,375百万円(前年度比+43.7%)
営業利益:702百万円(+74.6%)

  • グループ介護事業会社を統合し、ブランドを『ALSOKの介護』に統一、経営基盤の強化
  • 介護付き有料老人ホームを展開する「らいふホールディングス」買収


ケア21

訪問介護をはじめとした在宅サービスから介護付有料老人ホームなどの施設系サービスまで幅広く展開

【2020年10月期決算】
売上高:33,984百万円(前年度比+9.8%)
営業利益:1,353百万円(+20.1%)

  • 在宅介護事業を強化し、全国16拠点を出店
  • 介護記録システム「careログ」の稼働
  • 介護付き有料老人ホームにて入眠データ記録システム「眠りスキャン」導入
  • 最後に…



終わりに…

最後に介護業界の大手企業の業績から今後の介護業界について考えてみたいと思います。

新型コロナウィルスの各社への影響は?

まず2020~2021年は新型コロナウイルスの影響を大きく受けた一年でした。特にデイサービスなどの通所系サービスは、緊急事態宣言下で営業停止や利用控えが発生し、また入居系サービス・高齢者住宅でも新規の見学者の減少などで入居率の低下もみられました。その反面、訪問系サービスでは利用者の増加がみられています。各社の主力とするサービスによって、業績への影響に差が出ているのが分かります。

ただし大企業では複数の介護サービス(入居・在宅系)持っている場合が多く、新型コロナの業績への影響は限定的であるとも言えます。対して、提供するサービスの種類が少ない小規模な介護事業所にとっては新型コロナの影響を大きいと思われます。

また新型コロナの影響で感染症の対策や人件費などの経費も増加しています。2021年介護報酬改定で+0.70%の改定がありましたが、事業運営の経費や人材の確保が引き続き課題となっていくでしょう。そのために各社、事業運営の面では業務軽減のためのシステムやAIの開発を進め、人材確保の面では独自の採用ルートを作ってきています。

介護業界の再編は?

これまで介護業界では大手企業や異業種から参入した企業の買収や統合により、再編が進んできました。新型コロナの影響で若干そのスピードも落ち着いているように見えます。しかし2020年の「老人福祉・介護事業」の倒産件数は118件と過去最多であり、新型コロナ関連の倒産も7件発生しています。今後も小規模な事業所の運営が厳しくなっていく可能性は大きく、その中で大手企業による買収や中小企業の統廃合も進んでいくと考えられます。

以上、介護業界の大手トップ10社の業績まとめ2021でした。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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