こんにちは、現役介護士のTARO(@taro26179991)です!
今回は介護職やケアマネージャーの平均年収と過去16年の推移をまとめながら、「年収を上げるにはどうすればいいか?」を考えていきます。
2021年の介護職の平均年収は?
介護職員の平均年収は352.8万円(令和3年賃金構造基本統計調査より)
細かく見ていくと、介護職員の月平均給与(基本給や各種手当、残業代を含む)は25.1万円、年間賞与(ボーナス)平均は52.1万円となっています。
また介護・福祉関連の他の職種では、介護支援専門員(ケアマネージャー)の平均年収が409.7万円、訪問介護従事者の平均年収が364万円です。全産業の平均年収が約440万円ですので、介護職の年収と比較すると80~90万円くらいの差があります。
介護労働安定センターの令和2年度介護労働実態調査結果では、令和2年の介護職員の平均年収は343.4万円となっています。賃金構造基本統計調査とやや差がありますが、現在の介護職員の平均年収は340~350万円と言えるでしょう。
※賃金構造基本統計調査とは、厚生労働省が毎年行う労働者の賃金に関する統計調査であり、雇用形態や職種など、労働者の属性別の賃金が出ています。詳細なデータは、令和3年賃金構造基本統計調査結果を参照ください。
介護職の年収の推移は?【2006年~2021年】
16年間で介護職員の平均年収は約50万円上がっている
過去の賃金構造基本統計調査をもとに、過去16年間(2006年~2021年)の介護職員の平均年収をまとめてみました。

介護職員の平均年収は2006年に306万円でしたが、2021年は353万円となっています。16年間で年収が約50万円上がっています。
この要因として、介護報酬改定の度に介護職員処遇改善加算が徐々に増えてきたことが挙げられます。
介護職員処遇改善加算とは、介護職員の賃金改善を目的とし、介護職のキャリア形成や教育環境など一定の条件を満たした事業所が報酬として加算を受けとれます。これまでの処遇改善加算の取り組みは次のようになっています。
2009年 | 介護職員処遇改善交付金(介護職員の処遇改善分として介護報酬+3%を交付) |
2012年 | 介護職員処遇改善加算の創設(交付率は処遇改善交付金と同等の介護報酬+3%) |
2015年 | 処遇改善加算の拡充(月額+1.2万円相当) |
2017年 | 処遇改善加算の拡充(月額+1万円相当) |
2019年 | 介護職員等特定処遇改善加算の新設 (勤続年数10年以上の経験・技能のある介護福祉士へ月額平均8万円相当) |
介護職員の年収も処遇改善加算が拡充された2015年くらいから徐々に上がっているのが分かります。
また現在、2022年2月より開始された介護職員処遇改善支援補助金によって介護職一人当たり月額9000円相当が交付されています。この補助金が終了する2022年9月以降は処遇改善加算へ組み込まれる予定となっていますので、今年も介護職の平均年収は少し上がることが予想されます。
介護職が年収を上げるには?
現在介護職をされている方が自身の年収を上げるにはどうしたらいいのでしょうか?もちろん色んな方法があると思いますが、一般的な方法として次の2つを紹介します。
①管理職やケアマネージャーを目指す
介護職の次のキャリアとして、現場の管理職やケアマネージャーがあります。先ほどの調査でも、介護職員の平均年収は352.8万円であるのに対して、ケアマネージャーの平均年収は409.7万円と50万円以上の差があります。また特定処遇改善加算の影響もあり、介護現場の管理職への手当も増えています。
もちろん介護福祉士等の資格を取得し、長年現場で経験を積んいくことでも年収は少しずつ上がっていきますが、管理職やケアマネージャーを目指すことでより大きく年収を上げることができます。
②高い給与の会社・法人へ転職する
介護職の年収を上げるために、高い給与の他の会社・法人へ転職するのも一つの方法です。先ほどの介護職員の年収はあくまで平均の値であり、地域や介護サービス種類(在宅系 or 施設)、夜勤の有無で年収に大きく差があります。
例えば介護サービス種類別の月平均給与では、介護老人福祉施設(特養)や介護老人保健施設(老健)、特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム)といった、施設系サービスの方が在宅系サービスよりも高い傾向があります。(令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果より)
また事業所の企業規模でも平均年収に差があります。介護職員の平均年収は企業規模が1000人以上では375.6万円ですが、100~999人では360万円、99人以下では329万円とかなりの差があります。(令和3年賃金構造基本統計調査結果より)
つまり年収を上げるためには企業規模の大きくて、施設系のサービス事業所へ転職するのが良さそうです。もちろん全体の傾向なので、実際には個別の会社・法人をみていく必要があります。
さいごに…
今回は2021年の介護職の平均年収や過去16年の推移をまとめてみました。
介護職の平均年収は他産業と比べるとまだまだ低いことは事実ですが、介護報酬改定の度に少しずつ増えてきています。また「どういったキャリアを選択するか?」や「どういった会社・法人で働くか?」で年収も大きく変わってきます。個人的な意見ですが、介護業界でも他業種並みの年収を得ることは大いに可能だと思います。
一方で介護業界全体を見ると、介護職の年収は介護報酬改定に左右されやすいという面もあります。今後の改定内容によって、少しずつ上がってきた平均年収もここで止まってしまうかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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